論破王が論破を推奨していない
最近、色々なメディアで
ひろゆき氏の発言が取り扱われています。
大型匿名掲示板、2ch の元管理人で
今では様々な事業に参画しており
多岐に渡って見識があり
損択なしに
歯切れの良い論調で納得のコメントを出すスタンスが
多くの若者を惹き付けているようです。
彼の意見や考え方は非常に論理的でシンプルで
参考になるところが多いのですが
メディアや彼のファンがもてはやしている
“論破”
については
ちょっとどうかなと疑問に思うことが多々あります。
面白いことに、それは本人も同じで
彼自身、”論破” はしない方が良いと言っています。
が、世間はそんな彼の声を聴かず
エンターテインメント化されている “論破” を期待するようですし
どうやら真似をする若者も居るとのこと。
やはり消費者 (視聴者) が
賢くなる必要があるように感じています。
スポンサーリンク
論破はロジカルもどき
私は実際に彼が論破するエンターテインメント (動画、等) を
見たことがありません。
が、たまに internet の記事で取り上げられている
彼と対戦相手のやり取りに目を通すと
その掛け合いは
論理的な議論や討論のようには思えませんでした。
どちらかというと
発言の揚げ足取りをして
相手が反論出来なくしているような
そんな感じです。
例えば言い間違いだとか表現の曖昧さに漬け込んで
相手の発言や主張が誤っていることを認めさせて
言い返せなくしているようなそんな感じ。
何かを主張している際、
fact にもとづいたモノであれば一般論とか客観的な話であり
主張としては強いモノになりますが
それがただの個人の主観だったり感想であれば
主張に足りないといった見方をされます。
そういった背景から、彼がよく使う
それってあなたの感想ですよね
というコメント。
これを言われると、なかなか反論し辛くなります。
が、極論、人間同士のコミュニケーションです。
双方の主張は双方の考えや主観によるところからのものです。
なので、個人の感想なのは当たり前だと思うのです。
が、どうしてもこれを言われると
言い返し難くなってしまいます。
論破しても生産性が無い
ひろゆき氏、本人もコメントしていたのですが
実際の生活やビジネスにおいて
“論破” なんてしない方が良いとのことです。
私もそう思います。
相手を言い負かせる行いであり
相手と共に、より良いアイディアを出すモノでもありません。
例えば 2 人で話をする際、
話し合った結果が、
1 + 1 が 2 以上になれば生産性が高まっていると思います。
が、”論破” の場合、
相手を 0 にしてしまい、自分の 1 を通すので
1 + 1 が 1 + 0 となり、合計 1 です。
しかも言い負かせた相手は
敗北感を持ちながらも
“論破” した方に対して
心象を悪くするでしょう。
そんな状態で、良い取り組みが一緒に出来るでしょうか。
むしろ、現実社会、コミュニティ、ビジネスにおいては
負けるが勝ち
という表現が的を射ている局面が多々あります。
本当は自分の考えや意見が正しい場合においても
相手のことを立てて、
相手に価値を譲ることで
総合的に自身にも良いことが多々起こることがあるのです。
ひろゆき氏もそういったことを考えているらしく
“論破王” という呼ばれ方については
否定的に捉えているようです。
なので、視聴者・消費者が
ひろゆき氏の特徴を賢く参照して
疑うべきところは疑い、
参考になるところは参考にする
といったスタンスが必要と思っています。
