甲乙、不思議な力関係 (教育分野)
以前、このブログで契約における甲乙について触れていました。
契約の発注元、つまり客の立場が甲、
契約の発注先、つまり客からお金を貰って価値を提供する立場が乙。
お金の流れがありますので
一般的には甲が乙のマウントを取る傾向にありますが
今時のビジネスでは、その従来通りのマウントの取り方では
継続的なビジネスには出来ないでしょうし
競争力のあるものにもならないように思えています。
そんなことを考えていた矢先、
ふと、この甲乙の立場の傾向が逆転している産業があることに再認識しました。
教育分野、です。
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お金を払う側が低姿勢
教育分野における “サービス” とは
基本的に何かを学習・習得出来るようにしてあげることであり
それを享受するのは生徒です。
これに対しての対価が
サービス提供者であるスクールなり事業者なりに支払われます。
これが大まかな流れです。
客、つまり甲の立場は生徒です。もしくは生徒の親御さんでも良いでしょう。
スクールなり事業者が乙の立場です。
公立の学校で殆どお金の流れを感じないといったモノもありますが
それは
生徒やその親御さんが属する人間コミュニティ (自治体、国、等々) が
集めた税金で
将来の人間コミュニティの発展を狙った先行投資をしているだけで
サービスを受ける生徒やその親御さんの立場から
間接的に支払われていると考えられるため
基本構造は同じです。
で、どういう訳か、
甲である生徒やその親御さんは、
乙であるスクールや自治体に対して低姿勢です。
入学前に入試・面接あれば合格頂かないと駄目ですので
慎重に低姿勢です。
また、単位の取得や進級の条件があるなら
その決定権を持つスクールや事業者に対して腰を低くして接します。
お金を出しているのにも関わらず、です。
将来的にはシステム崩壊か ?
この妙な力関係で成り立っている教育産業。
切磋琢磨が不全に思えています。
本来、お金を出す側はサービス提供者を比較検討し
自身にとってベストなところを選びます。
つまり生徒や親御さんがスクールを選ぶのです。
これが一般的なビジネスの関係。
こうすると、スクールは生徒を集めないと廃業しますので
魅力的なサービスを錬磨します。
顧客獲得に向けた企業努力。
実に自然ですよね。
がしかし、前述の通り
妙な力関係のもと
スクールが生徒や親御さんを選ぶ形になっています。
これ、近々、システム崩壊するように思えています。
特に internet の普及とサービスの充実がこれを加速すると思っています。
何もお金をかけずとも
低コストで学習出来て習得出来るという認識が広まれば
一気に既存システムが崩壊します。
例えばオンライン英会話レッスン。
これによって通学タイプのスクールは、かなり顧客を減らしたでしょう。
やはり不自然なモノはいつか淘汰されるモノですね。