リスキリングと焼け石に水の判断
世の中の変動が激しい昨今です。一昔前、例えば我々の親世代とかは、終身雇用が当たり前ですし、自分の取り組んだ仕事をずっと継続する人も多かったかと思います。なおかつ、年功序列なので、年齢を重ねれば重ねる程、仕事は楽になっていくイメージを持っている人も多く居たのではないでしょうか。というのも、私の父親がこんなことをぼやいていたことを覚えているのです。“年齢重ねて昇進していけば (若い人が色々やるから自分は) 楽になるのが普通なのに” と言いながら、楽にならず新しい仕事を任されて、ぶつぶつと文句を言っていたのです。
丁度時代が変わるタイミングだったのかもしれません。今や、転職する人も増えて来ましたし、転職しないにしても、学び直し、リスキリングを経て新しい仕事にチャレンジすることもよく耳にします。が、それをあなたが齧ったところで焼け石に水なのでは ? と思えることも生じます…。
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畑違いな嫁さんが IT を学ぶ
最近、嫁さんが夜な夜な、web セミナーみたいなものを受講しています。講義がストリーミング配信されている模様で、それを見ながら一生懸命、レポートを書いていました。ただでさえ仕事に時間を追われているところに研修も加わっていて、ますます、生命を削ることになりますし、睡眠不足とかで休日の子どもの相手が疎かになるのも頂けません…。が、そこに怪訝を示したところで何も聞き入れられず効力も無いので、私自身、あきらめの境地です。
で、何を学んでいるのかと気になりつつも、嫁さんの分野は私にとって畑違い。見たところでわからないだろうな、と思っていました。が、たまたま嫁さんがにらめっこしているパソコンのディスプレイに表示されている言葉が、”機械学習” だとか何だかトレンディな情報技術用語…。嫁さんにとって畑違いの話を学んでいるようでした。
長所を伸ばし、短所は任せた方が…
取り組んでいる内容が嫁さんにとって畑違い過ぎたので、“何してんの ?” みたいな感じで問い合わせたら、“AI と DX て何が違うの ?” と物凄いレベルの質問が来てしまいました…。案の定、畑が違い過ぎて全然ピンと来ていない模様。無理もありません。
嫁さんの話を聞いて見ると、勤め先がそういった分野と連携して事業を推進しているため、こういった研修要員のアサインが必要になり、嫁さんが該当したとのこと。時代は変わりますので、違った畑の分野とコラボして新しい市場だとか販路を狙うことは勿論、自然な流れかと思います。が、取り組み方、スキルの身に付け方としてはちょっと課題あるように思えました。
ここまで畑が違うのであれば、そういった部分はアウトソースして、本人たちは自分の畑そのもので強みを磨くか、少しだけジャンルをズラして既存のスキルや技術アセットを流用できるフィールドにすべきと思います。あまりに距離感があり過ぎると、そこの理解が追いつくころには時代遅れになってしまいます。勉強やら研修やらリスキリングやら、何事も目的が大切です。そしてその目的に対して最適な手段を選ぶべきなのですが、なぜか学び直す手段が目的化し勝ちです。困ったモノです…。
