育児がつらい のは将来不安から
最近、目に留まった internet 上の記事で、
日本の親が “育児がつらい”
と思う理由について触れたものがありました。
その記事では
日本では親が色々と理想の親を目指し過ぎていて
なおかつそれを自分たちだけでやり遂げようとするので
余裕が無くなっている
みたいな主張でした。
もっと他国のように
シッターとかナニーとか
育児タスクをアウトソースすべき、と。
合っていると思いますが
根深い問題が抜け落ちているように感じました。
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継続利用が非現実的
以前、経済ニュースを見ていたとき、
株式会社ポピンズホールディングス
が紹介されていました。
育児に関わるサービスを提供する企業です。
働く親が安心して育児タスクをアウトソース出来るように
組織的にシッターやナニーを提供したり
色々と手掛けている模様。
一部上場企業ですので
資金や組織力はかなり大きく
こういった企業の活躍で
日本においても
育児タスクがアウトソースされていくことが
当たり前になれば
子育て世代の負荷が無くなっていくと思われます。
が、問題は利用料金。
かなり高い。
安心安全や品質を考えると
この設定になってしまう
という説明がありましたが
まぁそれも本当でしょう。
でもそんな高価格帯を使い続けられる家庭は
多くありません。
一方で、安価なサービスとなると
ポピンズが降れていた安心安全等の品質が不安になります。
結局折り合いがつかず
そういったサービスを使わない選択に辿り着く親が
多いように思えています。
格差が無く経済成長が見込めない
安心安全といった品質を考えると
料金は高くなりますが
他国ではどうして成り立っているのか。
他国でも安心安全といった品質を考えると
料金は高いでしょう。
それでも普及している理由は
格差社会です。
ナニーやシッターとして働く人たちの収入層と
それを継続的に使う人たちの収入層。
市場を継続するだけの両者のバランスが取れているため
初めて機能します。
一方で日本は
総中流社会。
アウトソース先も中流層。
そこにアウトソース出来る人は、日本では少ない富裕層以上。
そして育児がつらいと言っている日本の親は
大半が中流層。
期間限定と割り切って
育児タスクを部分的にアウトソースするのが
現実的と思いますが
問題は、子育て世代は
育児の困難を経て
その先に介護だとか自身の老後の生活もあり
先行きが不安だらけ。
賃金も上がりませんし
日本の人口も減少しますし
超高齢社会なので社会保障料も増えるでしょう。
そんな中、安心してアウトソース出来るかというと
懐疑的に思えています。
親の意識だけの問題ではなく
社会問題なのだと思います。
安くて品質の良いサービス提供をするイノベーションなり
ドラスティックな社会改革を経て経済成長を遂げるなり
かなり飛躍的な変化がない限り、無理と思います。