胃袋と時間の奪い合い
2020/12/13
多くの物事は有限です。
有限という制約がある中から
如何にシェアを伸ばすのか。
これが市場競争だと思えて来ました。
例えば一定のニーズがある領域においては
一定のユーザ数なり売り上げなりが存在します。
その領域でビジネスを手掛ける場合
競合を抑えて多くのシェアを取ることが
市場のコントロール権だとか先導権を得るようなこととなり
圧倒的に有利な立ち位置になるのです。
でもこのシェア争い、
今ではユーザ数や売り上げ以外にも及んできているように思えました。
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有限キャパシティ、胃袋
日本国内において、
人口は継続的に下降しています。
これはすなわち、
国内の総消費者数が減少していることになるので
どの産業においても、総消費の中からシェア争いしている
と言えてしまうでしょう。
でもそれでは話に具体性が無いので
もう少しフォーカスすると面白いように思えたモノは
胃袋、です。
戦後のモノが無い時代、
例に漏れず食べ物も不足していました。
これは日本国内の胃袋の容量よりも
著しく下回る食べ物の供給状態。
でも今は違います。
本当に酷い話と思いますが
食料自給率が低い割に
日本はフードロスが酷い。
日本人一人当たりの年間のフードロス量を計算すると
2019 年の農林水産省の発表では
アジアで 1 位。
世界で 6 位。
供給量が胃袋の容量を超えていて、
胃袋のシェアを争っている形なのです。
時間の奪い合い
もっと顕著な例は時間だと思います。
特に娯楽・エンターテイメントに
焦点を当てると分かり易いかもしれません。
昭和のテレビ普及時のエンターテイメントと言えば
プロレスだとか巨人だったと。
野球ではなく巨人というのがポイント。
多くの日本人が皆でプロレスで楽しみ、
巨人を応援して時間を過ごしていました。
エンターテイメントのバリエーション・量が
圧倒的に少なかった時代。
一方で今はニーズが多様化しており
消費者もエンターテイメントを自分で選ぶ時代。
選べるほど多岐に渡るモノが存在します。
動画・映像で言えば昔ながらの映画・テレビ・ビデオ、等々。
更に internet 普及により身近となった VOD。
youtube とか hulu とか amazon prime ビデオとか。
それこそ山のようにあります。
消費者が全部網羅することなんて出来ません。
消費者の時間は 1 日 24 時間で決まっていますし、
消費者数も人口減少していますので、年々減っています。
なので、
有限の消費者の時間をエンターテイメントは奪い合っていますし
仕事・家事・育児・勉強・その他趣味娯楽、
全てが時間を奪い合う形です。
苦肉の策で睡眠時間まで奪う事態に。
この奪い合いの過程には、
かなり巧みなマーケティングが
仕込まれていると思った方が良いでしょう。
全てを否定することは不可能と思いますが
そのマーケティングの目的はビジネスの成功です。
真の消費者目線ではありません。
なので、流行っている動画だとか食べ物だとか
まずは無視するのが得策です。
それに手を出すと、時間なり何なり奪われます。
奪われてしまっても、つまり任せてしまっても
安心出来るなら良いのですが、
残念ながらそんなことは無いことが多いので
自分を持ち、しっかりと取捨選択を判断しましょう。