自己正当化のための詰まらない嘘
何もできなかった小さな子どもたちもスクスク育って、いつの間にか小学 2 年生。意思表示のために泣くくらいしか出来なかった子たちが、今では色々とお喋りしています。親と言葉で意思疎通出来るようになっている分、変な認識齟齬で衝突したりします。大人である親の頭では想像も出来ない程に、子どもたちはまだまだ言語能力、情報整理も未熟です。子どもたちが表面上では表現で来ているモノゴトにおいても、かなり trial and error な感じで発信しているのだと思われます。なので、子どもたちの言動を真に受けて対応すること事態、大人としては間違っているのですが、これが “言うは易く行うは難し” です。
子どもたちがまだまだ未熟だと言うことは分かっていながらも、正直に物事を言わずに反射的に嘘をついてしまうようになってしまった子どもたちのことを少し残念に思い始めています。ですが、それもまた人間らしく成長している証でもあるかもしれません。
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詰まらない嘘
先日の夕方、竜太がピアノの練習をしていて、その近くで竜子が漢字検定の練習をしていました。竜子はその前の取り組みが一段落して、小休憩といったところでピアノを弾く竜太を見ていたとのこと。少しして再度竜子に目をやると、漢字検定の練習をしながらも耳を塞ぐ仕草の竜子が。どうしたのか、ピアノが煩いのか、と聞くと “竜太がピアノの音を大きくしたから煩い” と言い出しました。
ヘッドホンを外してピアノを弾く際、音を大きくしないことが我が家のルールです。勿論、近隣の住人の方々への配慮です。そういった背景があり、音を大きくしていたのであれば後ろめたい気持ちになるでしょう。竜太に音を大きくしたかどうか聞くと、“してない !” と自信たっぷりに否定して来ました。が、竜太は割とちょくちょくこのピアノの音を上げる行為をうっかりしてしまいます。罪悪感が無いようです。で、とっさに “してない” と嘘をついたように見えました。
どっちが嘘をついているのか
竜太は音を大きくしていないと主張して、竜子が言っていることが嘘だと言っています。勿論、竜子は竜太が嘘をついていると言っている。板挟みになる私でした。両者、嘘をつきますのでどちらかに加担して信じることも出来ず。ただ、この場合、竜子が敢えて嘘をつく理由が無いのです。竜子がそのタイミングで嘘をついても何の動機やらメリットもありません。不自然です。一方の竜太は前述の通りピアノの音を気分良く大きくしている前科があったりしますので、竜太が嘘をついていると考えるのが自然です。
なかなか認めない竜太でした。泣きながらも嘘じゃないと主張し続けていました。そこまでして正当化したいのかと思うと呆れる程です。“じゃ、竜子が嘘ついているので竜子をお父さんは怒ったらいいだな ?” と竜太に聞くと、少し考えて、“嘘ついちゃってた。ごめんなさい” と言い出しました。ようやく本当のことを言ってくれました。流石に自分の嘘で他の人が濡れ衣を着せられることは嫌だったようです。竜太は優しい子ですから。正直に言った竜太を大きく怒ることもなく、つまらないことで嘘ついて自分が困ってしまうくらいなら、”早々に間違って音大きくしちゃった。ごめん” で済ませた方が良い旨伝えてその場は終わりとなりました。
子どもたち、成長しているのは確かですが、こういった話が色々と面倒ですね。でもこれも成長過程。避けられないモノかもしれません。